『歩いても 歩いても』
2008年6月28日(土)ロードショー
阿部寛 夏川結衣
YOU 高橋和也 田中祥平
樹木希林 原田芳雄
監督・原作・脚本・編集:是枝裕和
ストーリー
年季の入った横山家の台所で、母親のとし子と娘のちなみが野菜の皮むきをしている。父親の恭平は開業医を引退したが、家と繋がった医院は昔のままになっていた。散歩に出た恭平は杖をつきながら住宅街を抜け、長い階段をゆっくり下りて行く。海岸沿いの道路で立ち止まり、海を眺めるが、海岸には向かわない。
息子の良多も、妻と息子と電車で実家に向かっていた。絵画修復士だが、今は職探し中の良多は、久しぶりの帰郷も気が重い。良多と再婚して日の浅いゆかりも緊張していた。亡くなった前夫との子である10歳のあつしはまだ良多のことを「良ちゃん」と呼んでいる。
手土産の西瓜とシュークリームをとし子に渡した良多たちは、まず居間の仏壇に手を合わせる。今日は、横山家の長男、純平の命日だった。15年前、純平は海で溺れかけた少年を助け、命を落としたのだ。ちなみの夫と子供たちも外から戻り、笑い声が響く。診察室に引きこもっていた恭平も、天ぷらが油にはねる音を聞いて台所に来る。とし子の得意料理、トウモロコシのかき揚げだ。純平の好物だったのだ。子供たちが小さかった頃の話に花が咲き、純平の言葉を思い出して両親が笑う。それを言ったのは本当は自分なのにと、良多は複雑な顔をする。
やがて食卓にはとし子が腕をふるった家庭料理や出前の上寿司も並べられ、昼の食事が和やかに始まった・・。